コラム Column

SPCに不動産売却よる資産のオフバランス化のメリットを解説


不動産投資家の方で、物件を多数保有している方に対する銀行融資が難航しています。

ひと昔前は、積算価格が出る物件を買い増ししていけば、その方の貸借対照表(BS)を毀損することもなく、規模を拡大していけたのですが、最近は、借入額が多いという理由だけで融資が否決されることが多いです。

例えば、資産として10億円の不動産を保有していて、負債が残債8億円というケースでは、純資産が2億円あるので、次の物件を購入して追加融資を受けることが出来そうですが、借入額8億円自体が多過ぎるという理由で否決されます。

どうしても欲しい物件を買うためには、物件を上手く売却して残債を減らすほかないのですが、築年数の経過した物件をすぐに売却することが難しい場合もあります。そもそも、CF(キャッシュフロー)が出ているので、売却したくないという事情もあるでしょう。

不動産投資で負債をオフバランス化するスキームとは

先日、信託銀行の方と打ち合わせした際、このような状況を打開できる可能性のある提案を受けました

すなわち、既存の物件を信託銀行に信託することで、負債をご自身のBSから切り離すというスキームです。

例えば、上記の10億円の物件を信託に出す際のスキームは以下の通りです。

  1. 物件保有者(本人)と信託銀行との間で、10億円の物件を信託財産として、信託契約を締結する(委託者=本人、受託者=信託銀行、受益者=本人)
  2. 本人がSPCを設立して、SPCに受益権を10億円で売却する
  3. SPCに対して、銀行がノンリコース(物件の収益のみを返済原資として、本人の連帯保証を要しない)で10億円のローンを引く

これにより、本人の負債は0となる一方で、SPCへの融資に際して、本人は連帯保証に入りませんので、本人の与信は綺麗になります。

また、本人は2億円を現金化できる上、SPCで得られるCFも享受できます。

このスキームの肝は、信託銀行が物件を受託して、管理していくので、本人の連帯保証無しでも金融機関が融資をするという点にあります。

ですので、その分、信託銀行に対する手数料が発生します。

SPCに対して、いくらまでのノンリコースローンが引けるかは物件の鑑定評価次第ですので、本件の数字は参考程度に見てください。

いずれにせよ、借入額が多額になっている投資家の方で、物件の売却も出来ない方にとって、信託でBSから負債を消す(オフバランス)という方法があるということは覚えておいてください。

スキームの詳細は、取り扱っている信託銀行に直接問い合わせましょう

スキームの詳細については、このようなスキームを扱う信託銀行に直接お問い合わせください。

また、このスキームには専門性が求められること、及び、弁護士報酬をはじめとする専門家費用が発生する可能性がありますので、ご注意ください。

少し難しい話になりましたが、「借金を切り離す」という方法があるとだけ、頭の片隅に入れていただければと存じます。

弁護士 堀 鉄平

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